そこにあるのはツナ缶だ。

おつなとサバ夫のだらっとした日々。

魚をさばくのは誰じゃ

実家の父より入電。違った、入メッセージ。
スマホを持ってもらうようになってから、なにかと連絡をよこすようになった父。爺様と言われる歳になっても生粋のガジェット好き、ウキウキでiPhoneを操っている。
母も同じで、先日とうとうインスタデビューまで果たした。メッセージもよくよこす。画像も動画もばんばん添付してきて楽しげでなによりだ。
デジタルでのやりとりは味気ない、というむきもあるけれど、その削ぎ落とされた感じがうまく働くことによって、心なしか、昔よりも意思の疎通ができている気がする。
おたがい歳を重ねたからなのか。謎。でも謎のままでいいや。

さて、父メッセ。
家庭菜園でとれた野菜があるから米と一緒に送ろうと思う、いつならよろしいか、と。
いつも何もコロナの影響でこもっておるのでいつでもオッケー、再配達のご心配はいらなくてよ!と返す。助かるわー

毎回サバ夫の好きなものも入れてくれるので、きっとまた鰻も入ってる。時期的に間違いない。

独立してまで実家からいろいろ送ってもらうのはどうなのか、と悩んだ時期もあったけれど、サバ夫が言うところの「受け取るのも孝行のうち」ということにして有り難く受け取ることにしている。

そのかわりにこちらからも返していこうね、ということになり、安全やなんやかやを鑑みてスマホを支給することになったのだった。本体含め費用はすべてうちがもっている。
ついでにサバ夫父にもスマホを持ってもらうことになった。こちらはガチで居場所確認のため。すーぐどっか行っちゃって、知らない土地から電話が来て「今転んで病院にいる」とか言うから。肝が冷えるどころではない。GPSって必要だよ。旅行が趣味なのはいい、でも行き先と期間くらい言いおいてからさまよってくれ。

閑話休題

父からの連絡と、昨日ちょっと拝見したブログから思い出したことがあったので書いてみる。

父は普段から料理する人だ。そしてよく釣りに行っていた。
さあて全部海で釣ったものかそれともこっそり漁港近くのお魚屋さんでつかまえてきたものか、いつもクーラーボックスをいっぱいにして帰って来た。
そしてその日は母は台所に立たない。すべてお任せ、パパごはんの日になる。
テーブルにどどんと並ぶ刺身。刺身。刺身。とにかく刺身。
並ぶそばから食べまくる(普段は行儀が悪いと怒られるけどこの日は別)。手巻きにする日もあったけど、基本、刺身。でもって骨せんべいにあら汁に、丸ごといただくのが当たり前。

だもんだから、魚といえば、父がさばくものとして脳に刷り込まれてしまった。
父というか、家長がさばく役目を担っておると考えていた。
だって爺様もさばいていたし…そういう時は女衆は台所から出てたし…
スーパーで売っている刺身のパックをはじめとした魚の加工品は、出張とかでお父さんがいない時の為に売っているのだろう、とか考えていた。

バカです。

なんの疑問も持たず中学生くらいまで「魚をさばくのは家長の役目」
「家庭科で女子も習うのは、家長不在時に代行せねばならないから」とか思っていた。

バカです。

考え違いを話した時の両親の笑いっぷりときたら!あんたがたのせいでしょうが!
しかし父は大変にご機嫌であったので、実はそう思わせるように仕向けたんじゃないかと疑っている。ホラ吹きめ…

昔読んだ『赤毛のアン』にも、アンと結婚したギルバートが「クリスマスにお招きしたお客様の前で、上手に七面鳥料理を切り分けることができるか緊張している」というような描写があった、ような。
皆の希望に合わせ、かつふさわしい場所をスッスッと切り分け滞りなくサーブする…これぞ家長の重大なる役目…難癖つけたがりの親戚の前で失敗なぞしたら、どうなることやら考えたくもない!というようなシーンが。
「今、手順を覚えているから話しかけないでくれたまえよ」「昔、幾何の問題で文字を入れ替えられた時の君のように混乱してしまうからね」確かこんな感じのセリフもあったような。
あの優秀なギルをしてそう言わしめる七面鳥の切り分け。すごい。でもそうか、日本だって魚は家長だもんねえ。
と、納得していた私はやっぱりおバカだ。


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現在、我が家の家長サバ夫、台所方面も妻である私に全面委託済み。
「カチョウメイレイだ!」とのことなので承っております。
サバ夫が鯵をさばくと、刺身ちょっぴりと非常に贅沢な骨せんべいが出来上がることになるので、己の技量について何かを察した模様。それはそれでおいしいからいいんだけど、彼は納得がいかないようでカチョウメイレイが発令された。

サバ夫の名誉のためにつけ加えると、彼はひと通りのことはできるし、私が寝込んだり出かけたりする時も「俺のメシどうすんだ」とかイカレポンチなことは言わない。自助努力にたけた人。
ただちょっとうっかりさんの気があるので安全面での懸念はある、それだけは心配。


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サバ夫は今夜もお腹をすかせて帰ってくる(はよ全日テレワークになってほしい)、
なにをーつくろうかーなー

食事づくりで何が一番の悩みどころかって、メニュー決めですわよ、違います?
冷蔵庫と相談だー

それではまた。


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