そこにあるのはツナ缶だ。

おつなとサバ夫のだらっとした日々。

鰻が届いた。

サバ夫実家からえらく立派な鰻が届いた。
ここのところ疲れ気味だったサバ夫は大喜び。
ちなみに私は鰻が食べられない。そしてサバ夫実家の皆はそれを知っている。

食べられないといってもアレルギーとかではなく、
ただ単に幼少期の経験からの小心マインドがそうさせているだけなので
単なる好き嫌いのお話になり、いいから食っとけということなのだろうが
やっぱり及び腰になってしまう。

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私の実家では、親戚一同が集まる食事会が不定期に行われる。
冠婚葬祭とは別で親族がわらわら集まって相談報告諸々話し合いの場をもつ。
(最近のお題→婚家のお墓に入りたくないという伯母のお骨を
実家のお墓で受け入れるか否かの話し合い。満場一致でウェルカム)
その都度お店で集まるので女衆はらくちんだし
行くのめんどくさあ!という人は出なくていいのでゆるーいものだ。
つまるところ、皆で集まって美味しいもの食べようぜ!という
単なる食いしん坊会なわけだ。

幼い頃から連れていかれたけれども、面倒臭くはなかった。
ちょっとだけお行儀よくしていればいいだけで
いとこ達に会えるし美味しいもの食べられるしで楽しみな集まりだった。

ある時、そこで出たんですよ鰻。
それまで食べたことあるから美味しいのはわかってた。
だからまあぱくつきますわね。
小さい子供がいつもよりハイになってぱくぱくばくばく。
ええもう、みごとに、みごとに骨がぶっすりディープスロート

痛かった。初めてそんな目にあったからどうしていいかわからない。
隣にいた最年長いとこが気づいてくれて世話を焼いてくれたらしいんだけど
あまり覚えていない。
とにかく痛かったことと、
もうごはん食べられなくなっちゃう!という感じの恐ろしさが
まだじんわりと残っている。
のどが痛い→切れちゃう裂けちゃう→食べ物はみ出ちゃう、的な
阿呆思考に陥っていたのでしょう。ガキンチョでしたし。
はみ出ません。おバカですねえ。

結局、離れた席にいた母がきてくれた時には
刺さった所が痛くて泣くこともままならず大口開けてアウアウ呻いている私が
ご飯粒にまみれているという地獄絵図が繰り広げられていたそうで
それ以来、一族会が鰻屋である時には私だけ別献立になっている。

……肝心の「ご飯粒まみれの後どうなったか」の記憶はない。
きっと記憶の抹消が行われたんでしょう。人間って幸せ。

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そんな話をサバ夫実家でしたわけだが

こんなに美味しいものを食べないだなんて間違っている、
もったいない、良いものだったら大丈夫だろう!さあ!

というお気持ちで送ってくださったのだと思う。
サバ夫が言うには「忘れているだけで悪気ないよ」だそうだし。
でもやっぱり上手に食べる自信がどうしても持てないので
ありがたくサバ夫に2人分食してもらうことにしようと思う。
鰻好きな人に食べられた方が鰻自身も幸せだし報われるでしょうし。

よく噛めば大丈夫って言うけど!怖いものは怖いのよー

同じように牡蠣も送ってくださる。牡蠣もサバ夫の好物なのだ。
そしてこれまた私は食べられない(これは体質的に)。
だから「しょうがないなーふっふっふ」とサバ夫が2人分食してくれる。

私が苦手なものは、うまい具合にサバ夫の好物。ついてるついてる。
そんなわけで我が家の食卓は非常に平和にまわっている。

送ってくださったお気持ちは嬉しいのでひと口だけおしるしでいただいた。
とても美味しゅうございました。
これでお礼電話で嘘をつかないで済むわー

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でもやっぱり緊張するね!
もう私タレだけで良いや!

それではまた。


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